Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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うみにいくるひとびと

海に生くる人々

葉山 嘉樹

Leggi 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) di 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.305 caratteri · 321 schermate

Aozora Bunko

雪は船と陸とをヴェールをもってさえぎった。悲壮な北海道の吹雪は、マストに悲痛な叫びを上げさせた。

生命のあらゆる危難の前に裸体となって、地下数千尺で掘られた石炭は、数万の炭坑労働者を踏み台にして地上に上がって来た。そして、今、海上では同じく生命の赤裸々な危険に、その全身を船体と共に暴露しつつある、船員の労働によって運送されるのであった。

藤原六雄は、ランプ部屋へはいって、ランプの掃除をしていた。彼は、今年二十八歳のひどくだまりやの、気むずかしやであった。そして、一体彼は何か仕事をしているのか、どうか疑わしいほど、労働がきらいな性のように見えた。彼の職務は倉庫番であった。

ランプ部屋はブリッジに向かい合って、水夫室と火夫室の間に、みじめに、小さくこしらえられてあった。藤原はそこでランプのホヤをふきながら、水夫たちが、デッキを掃除しているのを見ていた。彼はこのごろボースンにも、一等運転士にも見込みが悪いことを知っていた。「ストキ(倉庫番)にもワシデッキの時には手伝ってもらわなきゃならん。一万トンも八千トンもある船とはちがうんだからな」と、いつか水夫たち全部がそろって飯を食ってる時にボースンにいわれたことがあった。