Classici giapponesi con furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Leggi 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) di 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.305 caratteri · 321 schermate
というのは、船長は、のべつに、ベッドから飛び上がっては、「ボースンはまだ帰らないか、帰ったらいつでもいいから、すぐにおれのところに連れて来い、わかったか」だの「伝馬はまだ見えないか」だのと、怒鳴り続け、ベルを鳴らし続けたからである。
「まるで狂人病室だ! 看護人はたまらん」ボーイは背中をボリボリかきながらこぼした。
全く船長にしてみれば、その誇りを傷つけられ、自分の優越感を裏切られ、自分の特権を蹂躙され、ことに彼さえもまだ遠慮していたのに、「女郎買い」に行ったことは、彼を「愚弄」することはなはだしいものであった。それは、昔ならば「罪まさに死」に相当すべきであった!
彼は時々ベッドから、飛び上がっては、ボーイを怒鳴った。それは足へ煮えたぎった湯でもかかった時のように飛び上がるのだった。そして、彼は飛び上がるたびごとに、「きゃつら」に対する復讐を一層残忍にしようと考えるのだった。
ボースン、ナンバンらが「出し抜いて」直江津の、自分自身の家を一軒独立に構えている女郎買いに行ったことは、憤怒の余り、船長を発作的の熱病患者みたいにした。
わずか、しかし、このくらいの事で、何のために、それほどまでに船長が、憤らねばならなかったか、それは、だれにもわからないのだ。