Classici giapponesi con furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Leggi 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) di 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.305 caratteri · 321 schermate
安井は答えた。
医者は、背中から呼吸器を聴診しながら首を傾けていた。
「入院ができるかい。入院をした方がいいんだがなあ」医者は、藤原の方に問いかけた。
「何でございましょう病気は。入院も、できなかないと思いますが、船の方から経費が出ないと、私たちでは、入院費がとても支払えないと存じますので」藤原は、正直なところを打ち明けた。
「病気ってのは、打撲から来たものだ、やっぱりね。足のように、中から骨と肉とででき上がったところはいいが、こういうところは、内部に複雑な、機関があるからね」といって、七面倒なむずかしい病名をいった。
「で、病気の原因が、負傷から来たものだということがわかれば、船から出るのかね? 診断書を書いて上げようかね」といって、医者は、診断書を書いて渡した。
「どうもありがとう、いずれ帰船して、相談いたしましてから」
三人は、礼を言って、ボーイ長は、波田に負われそこを出た。
診断書が、百通あってもだめだろうとは思ったが、とにかく、それは、一つの有力な味方であった。
今では、実際の負傷や疾病よりも、診断書の方が、重大な意義を持っているのだ。ことに、それは、労働階級の負傷疾病の場合、そうであるのだ。