Classici giapponesi con furigana
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うみにいくるひとびと
海に生くる人々
葉山 嘉樹
Leggi 海に生くる人々 (うみにいくるひとびと) di 葉山 嘉樹 (はやまよしき) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 161.305 caratteri · 321 schermate
とか何とか、四角ばって、約束しといたら、そんなに、毎々まごつかないでも済むだろうじゃないか」波田は提案した。
「そんなにしなくたって、そういつもあることじゃないんだから、今日だけ願っといたらいいじゃないか」とボースンはなだめた。
哀れなボースンよ! 年は寄ってるし、子供は多いし、暮らしは苦しいし、かかあは病気だし、この憶病な禿げのお爺さんに従うことに皆決めた。
ボースンは、顔をあわてて洗うとそのまま、チーフメーツのところへ頼みに行った。
船は大うねりに乗って、心持ちよく泳いで行く。右手にははるかに本州北部の山々が、その海岸まで突出して、豪壮なる姿をまっ白く見せた。寂しい山河である。そこにはわれらの寄るべき港とてはほとんどないのであった。人煙まれなる森林地帯ででもあるように、原始的な草原ででもあるように感じさせる景色であった。ボースンの返事のあるまで、水夫たちは、デッキへ上がって、なつかしき陸をながめ、昨日困らされた海を見入るのであった。
風は、今日は昨日ほど寒くなかった。黒潮の影響を受けているので、デッキへ上がって、メスで頬の肉を裂かれるような痛さを感じることはなかった。