Classici giapponesi con furigana
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かいいき
海異記
泉 鏡花
Leggi 海異記 (かいいき) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 18.223 caratteri · 37 schermate
」
「うむ、これかい。」
と目を上ざまに細うして、下唇をぺろりと嘗めた。肩も脛も懐も、がさがさと袋を揺って、
「こりゃ、何よ、何だぜ、あのう、己が嫁さんに遣ろうと思って、姥が店で買って来たんで、旨そうだから、しょこなめたい。たった一ツだな。みんな嫁さんに遣るんだぜ。」
とくるりと、はり板に並んで向をかえ、縁側に手を支いて、納戸の方を覗きながら、
「やあ、寝てやがら、姉様、己が嫁さんは寝ねかな。」
「ああ、今しがた昼寝をしたの。」
「人情がないぜ、なあ、己が旨いものを持って来るのに。
ええ、おい、起きねえか、お浜ッ児。へ、」
とのめずるように頸を窘め、腰を引いて、
「何にもいわねえや、蠅ばかり、ぶんぶんいってまわってら。」
「ほんとに酷い蠅ねえ、蚊が居なくッても昼間だって、ああして蚊帳へ入れて置かないとね、可哀そうなように集るんだよ。それにこうやって糊があるもんだからね、うるさいッちゃないんだもの。三ちゃん、お前さんの許なんぞも、やっぱりこうかねえ、浜へはちっとでも放れているから、それでも幾干か少なかろうねえ。」
「やっぱり居ら、居るどころか、もっと居ら、どしこと居るぜ。