Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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かいじんべっそう

海神別荘

泉 鏡花

Leggi 海神別荘 (かいじんべっそう) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.689 caratteri · 46 schermate

Aozora Bunko

公子 津波位、家来どもが些細な事を。さあ、そこへお掛け。

女房、介抱して、美女、椅子に直る。

頸飾なんぞ、珠なんぞ。貴女の腰掛けている、それは珊瑚だ。

美女 まあ、父に下さいました枝よりは、幾倍とも。

公子 あれは草です。較ぶればここのは大樹だ。椅子の丈は陸の山よりも高い。そうしている貴女の姿は、夕日影の峰に、雪の消残ったようであろう。少しく離れた私の兜の竜頭は、城の天守の棟に飾った黄金の鯱ほどに見えようと思う。

美女 あの、人の目に、それが、貴方?

公子 譬喩です、人間の目には何にも見えん。

美女 ああ、見えはいたしますまい。お恥かしい、人間の小さな心には、ここに、見ますれば私が裳を曳きます床も、琅の一枚石。こうした御殿のある事は、夢にも知らないのでございますもの、情のう存じます。

公子 いや、そんなに謙遜をするには当らん。陸には名山、佳水がある。峻岳、大河がある。

美女 でも、こんな御殿はないのです。

公子 あるのを知らないのです。海底の琅※(「王+干」、第3水準1-87-83)の宮殿に、宝蔵の珠玉金銀が、虹に透いて見えるのに、更科の秋の月、錦を染めた木曾の山々は劣りはしない。