Classici giapponesi con furigana
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かいなんき
海難記
久生 十蘭
Leggi 海難記 (かいなんき) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.628 caratteri · 56 schermate
をとりながら亜弗利加に向って航行して行った。
三十日の払暁、左舷に亜弗利加の沿岸が見えた。
これは危険な兆候だった。亜弗利加の西海岸、北緯十九度五十四分、西経十九度二十四分附近、ブランコ岬からミリク岬の中央ほどのところにアルグゥイーンという浮洲がある。低位の小岩礁のまじった、岩よりも堅い広大な砂洲が海岸から四十浬ほど沖合まで発達している。英国のハル港に近いドッカー浮洲、印度の東北岸、イラワジ河口のイラワジ浮洲、それとこのアルグゥイーンの浮洲は西半球における有名な三大浮洲で、艦隊司令官ともあろうものが知らぬはずはなかろうと思われるのに、依然として三十里も西方に寄った航路を行くので、水兵たちは危険を感じてぶつぶつ言いだした。航海士の一人は、思いきって意見具申をしたが、ショオマレェ司令官は傲然と肩をそびやかしたきりで、耳を藉そうともしなかった。
一日の午後、ブランコ岬の沖を通過し、その辺からいよいよ危険区域に入りこんだ。
テネリフ島を出帆してからレコォはラ・メデュウズの三十浬ほどの航路をとりながら追尾してきたが、二日の夜半になっても、なお浮洲地帯を航行して行くので、火箭をうちあげて危険信号をしたが、ラ・メデュウズからはなんの応答もないので、やむなくそのまま航行をつづけた。