Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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からさわのいわごやのあるよのこと

涸沢の岩小屋のある夜のこと

大島 亮吉

Leggi 涸沢の岩小屋のある夜のこと (からさわのいわごやのあるよのこと) di 大島 亮吉 (おおしまりょうきち) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7010 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

天気のいいときは、朝飯を食ったらすぐとザイルでも肩にひっかけて、まわりの好き勝手な岩壁にかじりつきに行ったり、またはちょっとした名もないような Nebengipfel や、岩壁の頭に登ったりして、じみに Gipfelrast を味ってきたり、あるいはシュタインマンを積みに小さなグラートツァッケに登るのも面白い。そうしてくたびれたら、岩小屋へ下りて来て、その小屋の屋根になっている大きな岩のうえでとかげをやる。とかげっていうのは仲間のひとりが二、三年前にここに来て言いだしてから自分たちの間で通用する専用の術語だ。それは天気のいいとき、このうえの岩のうえで蜥蜴みたいにぺったりとお腹を日にあっためられた岩にくっつけて、眼をつぶり、無念無想でねころんだり、居睡りしたりする愉しみのことをいうんだ。その代り天気の悪いときは山鼠だ。穴へはいりこんで天気のよくなるまでは出ない。出られないのだ。しゃがんでいてもうっかりすると頭をぶっつけるくらいに低いところだから、動くのも不自由だ。だから奥の方へ頭を突込んで横になったきりにしている。標高があるだけに天気の悪いときはずいぶん寒い。