Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

せいしんあん

清心庵

泉 鏡花

Leggi 清心庵 (せいしんあん) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.494 caratteri · 26 schermate

Aozora Bunko

千ちゃん、何だってお前様、殿様のお城か、内のお邸かという家の若御新造が、この間の御遊山から、直ぐにどこへいらっしゃったかお帰りがない、お行方が知れないというのじゃアありませんか。

ぱッとしたら国中の騒動になりますわ。お出入が八方に飛出すばかりでも、二千や三千の提灯は駈けまわろうというもんです。まあ察しても御覧なさい。

これが下々のものならばさ、片膚脱の出刃庖丁の向う顧巻か何かで、阿魔! とばかりで飛出す訳じゃアあるんだけれど、何しろねえ、御身分が御身分だから、実は大きな声を出すことも出来ないで、旦那様は、蒼くなっていらっしゃるんだわ。

今朝のこッたね、不断一八に茶の湯のお合手にいらっしゃった、山のお前様、尼様の、清心様がね、あの方はね、平時はお前様、八十にもなっていてさ、山から下駄穿でしゃんしゃんと下りていらっしゃるのに、不思議と草鞋穿で、饅頭笠か何かで遣って見えてさ、まあ、こうだわ。

(御宅の御新造様は、私ン処に居ますで案じさっしゃるな、したがな、また旧なりにお前の処へは来ないからそう思わっしゃいよ。)

と好なことをいって、草鞋も脱がないで、さっさっ去っておしまいなすったじゃないか。