Classici giapponesi con furigana
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わたりどり
渡り鳥
Leggi 渡り鳥 (わたりどり) di Dazai Osamu (太宰 治) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6707 caratteri · 14 schermate
ところで、こいつは誰だったっけ。物凄いぶおとこだなあ。思い出した。うちの社へ、原稿を持ち込んで来た文学青年だ。つまらん奴と逢ったなあ。酔っていやがる。僕にたかる気かも知れない。よそよそしくしてやろう。
「ええっと、どなたでしたっけ。失礼ですが。」
ことに依ると、たかられるかも知れない。
「いつか、クレヨン社に原稿を持ち込んで、あなたに荷風の猿真似だと言われて引下った男ですよ。お忘れですか?」
脅迫するんじゃねえだろうな。僕は、猿真似とは言わなかった筈だが。エピゴーネン、いや、イミテーションと言ったかしら。とにかく僕は、あの原稿は一枚も読んでいなかった。題が、いけなかったんだよ、ええっと、何だったっけな、「或る踊子の問わず語り」こっちが狼狽して赤面したね。馬鹿な奴もあったものだ。
「思い出しました。」
いんぎん鄭重に取り扱うに限る。何せ、相手は馬鹿なんだからな。殴られちゃ、つまらない。でも、弱そうだ。こいつには、勝てると思うが、しかし、人は見かけに依らぬ事もあるから、用心に如くはない。
「題をかえましたよ。」
ぎょっとするわい。よくそこに気が附いたね。まんざら馬鹿でもないらしい。