Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わたらせがわ

渡良瀬川

大鹿 卓

Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate

Aozora Bunko

やがてその轟音の中にただならぬ物音がして、一同は驚いて目を覚したが、そのときはもう、壮士風の男が蹣跚と逃げてゆく後姿を見たばかりだった。壮士は谷に危害を加えようとして、ものもいわず仕込杖で打ちかかって来たのだが、谷は熟睡していなかった。気配をかんじて咄嗟に体をかわして、前へのめってきた相手の肩を、鉄扇でしたたか打ちすえた。――谷は余り多くを語らず、熊本籠城のときの勇者だという家職が壮士を捕えにゆこうとするのを抑えて、睡るごとくしずかに目を閉じた。

高橋たちは途中で津田と別れ、谷を市ヶ谷の屋敷へ送りこんで、門前からすぐ俥を引き返させた。無事に大役を果したかんじで俥の上でほっとすると、外濠の土手の松に、薄紙をかけたような月が美しかった。

京橋の事務所では、正造が高橋の帰りを待ちかねて、越智周吉を相手に浅酌していたが、高橋の姿を見ると膳を片寄せた。正造は高橋の端々から、被害地の情景がまざまざと浮んでくるもののように、目を瞑って「うん、うん」と頷いていたが、

「将軍がそれほどの気持で応援してくれれば、三軍の味方を得たも同様。津田翁はじめ諸君にお礼を申し上げる」