Classici giapponesi con furigana
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わたらせがわ
渡良瀬川
大鹿 卓
Leggi 渡良瀬川 (わたらせがわ) di 大鹿 卓 (おおしかたく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 280.528 caratteri · 557 schermate
霊妙なる人間の頭というものは、院内院外も別のあるものじゃない。三百的の解釈はいたさぬ考えでございます。今日はこれにて止めてあとは明日に譲ります」
正造は一段々々数えるようにゆっくり階段を下りた。だが、その態度は疲労のせいというよりも、なにか絶体絶命のところに腰をすえたものの、気魄をひそめた重々しさであった。
丁度正造がこうして演壇に立っている最中、被害地では未曽有の騒擾がもちあがっていた。
控室へもどった正造は、面会人があるといわれて何気なく面会室へ足を運んだ。すると、信濃屋の事務所から注進に馳けつけた加藤が、悲壮な顔をして控えていた。今朝雲龍寺を出発した請願の一行が、川俣で無理無体な阻止を受けた。怪我人数十名をだすなど、まるで戦争のような騒動だったらしいというのである。怪我人の一人、犬伏の山崎※(「金+圭」、第3水準1-93-14)次郎が途中から急遽汽車で出京して、ただちに芝警察へ訴えでたのち、いま事務所で疵口の手当をしているというのだった。
正造はそれを聴いて、目の前がまっ暗闇になり、グイと胸が落ちこむ恰好で椅子の背に依りかかった。両手が、膝の上でわなわなと震え、その振動が袴の裾まで伝わりだした。