Classici giapponesi con furigana
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うずまけるからすのむれ
渦巻ける烏の群
黒島 伝治
Leggi 渦巻ける烏の群 (うずまけるからすのむれ) di 黒島 伝治 (くろしまでんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 17.240 caratteri · 35 schermate
「も一度。そんな捧げ銃があるか!」その眼は、そう云っているようだった。
松木は、息切れがして、暫らくものを云うことが出来なかった。鼻孔から、喉頭が、マラソン競走をしたあとのように、乾燥し、硬ばりついている。彼は唾液を出して、のどを湿そうとしたが、その唾液が出てきなかった。雪の上に倒れて休みたかった。
「どうしたんだ?」
中隊長は腹立たしげに眼に角立てた。
「道が、どうしても、」松木は息切れがして、つづけてものを云うことが出来なかった。「どうしても、分らないんであります。」
「露助は、どうしてるんだ。」
「はい。スメターニンは、」また息切れがした。「雪で見当がつかんというのであります。」
「仕様がない奴だ。大きな河があって、河の向うに、樅の林がある。そういうところは見つからんか、そこへ出りゃ、すぐイイシへ行けるんだ。」
「はい。」
「露助にやかましく云って案内さして見ろ!」
中隊長は歩きながら、腹立たしげに、がみがみ云った。「場合によっては銃剣をさしつけてもかまわん。あいつが、パルチザンと策応して、わざと道を迷わしとるのかもしれん。それをよく監視せにゃいかんぞ!」