Classici giapponesi con furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Leggi 湖畔亭事件 (こはんていじけん) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.335 caratteri · 137 schermate
といって、このまま謎を謎として別れてしまうのも、非常に心残りです。私は、どんな風にしてこの困難な質問を切り出したものかと、とつおいつ思案に暮ました。
河野は非常な努力を以て、何気ない体を装い続けていました。少くとも私にはそんな風に見えたのです。
「君、覗き眼鏡は忘れずに持って来たでしょうね」
彼はそんな突拍子もないことを尋ねたりしました。これは無論彼自身の狼狽を隠すための無意味な言葉に過ぎなかったのでしょうが、取り様によっては「君だってそんな秘密を持っているんだぞ」というおどし文句の様にも考えられないことはありませんでした。
私達の無言の葛藤を乗せて、汽車はいつの間にか数十里の山河を走っていました。そして、間もなく河野の下車すべき駅に到着したのです。ところが、私はその駅をうっかり忘れていて、発車の笛が鳴ってから、やっと気がつくと、どうしたものか、河野は泰然として下車する模様も見えません。
「君、ここで降りるのじゃありませんか」
私としても、そこで降りてしまわれては困るのですが、咄嗟の場合思わずこう声をかけますと、河野はなぜか一寸赤くなって、
「ああそうだった。