Classici giapponesi con furigana
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ゆなのたましい
湯女の魂
泉 鏡花
Leggi 湯女の魂 (ゆなのたましい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.936 caratteri · 55 schermate
お小姓はそれッきり。
さあ、お奥では大騒動、可恐しい大熱だから伝染ても悪し、本人も心許ないと云うので、親許へ下げたのだ。医者はね、お前、手を放してしまったけれども、これは日ならず復ったよ。
我に反るようになってから、その娘の言うのには、現の中ながらどうかして病が復したいと、かねて信心をする湯島の天神様へ日参をした、その最初の日から、自分が上がろうという、あの男坂の中程に廁で見た穢ない婆が、掴み附きそうにして控えているので、悄然と引返す。翌日行くとまた居やがる。行っちゃ帰り、行っちゃ帰り、ちょうど二十日の間、三七二十一日目の朝、念が届いてお宮の鰐口に縋りさえすれば、命の綱は繋げるんだけれども、婆に邪魔をされてこの坂が登れないでは、所詮こりゃ扶からない、ええ悔しいな、たとえ中途で取殺されるまでも、お参をせずに措くものかと、切歯をして、下じめをしっかりとしめ直し、雪駄を脱いですたすたと登り掛けた。
遮っていた婆は、今娘の登って来るのを、可恐しい顔で睨め附けたが、ひょろひょろと掴って、冷い手で咽をしめた、あれと、言ったけれども、もう手足は利かず、講談でもよく言うがね、既に危きそこへ。