Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ゆなのたましい

湯女の魂

泉 鏡花

Leggi 湯女の魂 (ゆなのたましい) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 27.936 caratteri · 55 schermate

Aozora Bunko

何様猫が冷たい処をこすられた時は、小宮山がその時の心持でありましょう。

嚔もならず、苦り切って衝立っておりますると、蝙蝠は翼を返して、斜に低う夜着の綴糸も震うばかり、何も知らないですやすやと寐ている、お雪の寝姿の周囲をば、ぐるり、ぐるり、ぐるりと三度。縫って廻られるたびに、ううむ、ううむ、うむと幽に呻いたと、見るが否や、萎れ伏したる女郎花が、無慙や風に吹き乱されて、お雪はむッくと起上りましたのでありまする。小宮山は論が無い、我を忘れて後にと坐りました。

蝙蝠は飜って、向側の障子の隙間から、ひらひらと出たと思うと、お雪が後に跟いてずっと。

蚊帳を出でてまだ障子あり夏の月、雨戸を開けるでもなく、ただ風の入るばかりの隙間から、体がすっと細くなり、水に映つる柳の蔭の隠れたように、ふと外へ出て見えなくなりましたと申しますな。勿論、蝙蝠に引出されたんで。

十五

小宮山は切歯をなして、我赤樫を割って八角に削りなし、鉄の輪十六を嵌めたる棒を携え、彦四郎定宗の刀を帯びず、三池の伝太光世が差添を前半に手挟まずといえども、男子だ、しかも江戸ッ児だ、一旦請合った女をむざむざ魔に取られてなるものかと、追駈けざまに足踏をしたのでありまする。