Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まんかんところどころ

満韓ところどころ

夏目 漱石

Leggi 満韓ところどころ (まんかんところどころ) di Natsume Sōseki (夏目 漱石) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.601 caratteri · 148 schermate

Aozora Bunko

すると、大した案内にも及ぶまいと笑いながら相談を掛けた。我々は一私人で、ただ遊覧に来たのだから、公の職務を帯びている人を使ってはすまないが、せっかく案内をつけてくれると云うなら、小使でも何でも構わない。非番か閑散の人を一人世話してくれと頼んだ。これは正直恐れ入った本当の謙遜である。その時佐藤は懐中から自分の名刺を出して、端の方に鉛筆で何か書いて、じゃ明日の朝八時にこの人が来るから、来たらいっしょに行くが好いと云って分れた。

明日の朝の八時は例の通り強い日が空にも山にも港にも一面に輝いていた。馬車を棄てて山にかかったときなどは、その強い日の光が毛孔から総身に浸込むように空気が澄徹していた。相変らず樹のない山で、山の上には日があるばかりだから、眼の向く所は、左右ともに、また前後ともに、どこまでも朗らかである。その明かな足元から、ばっと音がして、何物だか飛び出した。案内の市川君が鶉ですと云ったので始めてそうかと気がついたくらい早く、鶉は眼を掠めて、空濶の中に消えてしまった。その迹を見上げると、遥なる大きい鏡である。

その時我々はもう頂近くにいた。ここいらへも砲丸が飛んで来たんでしょうなと聞くと、ここでやられたものは、多く味方の砲丸自身のためです。