Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たきぐち

滝口

山本 周五郎

Leggi 滝口 (たきぐち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.815 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

問屋ではなくて、注文された材木を問屋から卸し、買い手に渡す仲買のようなもので、男の雇人も三人しかいなかった。木場は気ふうの荒いところであり、おりうはひとり娘だったから、しぜんと勝ち気になり、幼ないころから、自分が女であることを常に呪わしく思って育った。

「おかしいようだけれど、笑わないでね」おりうは酔いのために少し赤くなった頬へ、そっと手をやりながら云った、「――あたしの躯はわせだったのね、十二の春にお乳がふくらみだしたの、もう恥ずかしくって恥ずかしくって、おっ母さんとお湯へはいるのもいやだったし、両方のお乳を切って捨ててしまいたいって、本気になって考えたくらいよ」

躯に娘らしいまるみがあらわれるにつれ、自分の肉躰が汚辱され穢され、腐ってゆく革袋のように思えた。そして男がうらやましく、男に生れてこなかった自分を憎悪した。――おりうが十五の年に父親が急死し、父はしょうばいの才がなかったため、あとに借金が残って、母親とおりうはたちまち生活に窮した。母親もまたおっとりした人というだけで、親子二人のくらしをたてるだけの気力もなかった。

「めぐりあわせってふしぎなものね」