Classici giapponesi con furigana
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たきぐち
滝口
山本 周五郎
Leggi 滝口 (たきぐち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.815 caratteri · 99 schermate
おりうはふきだして「お上手だわ」と云った。安宅は眉をしかめながら酒を啜った。おわきの口まねをした自分の軽薄さに、自分でうんざりしたようであった。
「ねえ」とおりうが含み声で云った、「こんど袖ヶ崎へ伴れていって、ひと晩泊りで、いいでしょ」
「権八をきめこむとはなんのことだ」と安宅がきいた、「ここの隠居の呼び名でなく、江戸でそんなことを云うらしいがね」
「また話をそらす」
「知らないのか」
「居候のことでしょ」とおりうが答えた、「あの人も権八をきめこんだわ、あの人こそ本当の権八よ、それであたしすっかり嫌いになってしまったの」
「袖ヶ崎へはいつかいこう」安宅は酒を啜って云った、「ついては本当の権八がどうして嫌いになったか、聞きたいものだな」
「聞いてどうなさるの」
「焼いて食うわけじゃないさ」と安宅が云った、「おりうほどの女が江戸から逃げだすくらいだったとすれば、相当ないきさつがあったと考えてもいいだろう」
「それが二一天作、いきさつどころか、はっきり割切れたはなしだったわ、あの人がのぼせあがって、あたしに付きまとえば付きまとうほど、あたしにはあの人がいやでいやでたまらなくなったの」