Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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たきぐち

滝口

山本 周五郎

Leggi 滝口 (たきぐち) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 49.815 caratteri · 99 schermate

Aozora Bunko

「私にあてつけたいんです、自分が女だということをしんそこ嫌っていたおりうの中に、自分が女だったということをめざめさせたのは私でした、こんな思いあがった、きざなことを云うのを勘弁して下さい」芳村は気まずそうに眼を伏せ、すぐにゆっくりとその眼をあげた、「――おりうはたぶんあなたにも、この芳村伊織が嫌いだと云ったでしょう、どこでもそうだったんです、嫌いというより憎悪し、軽侮していた、そのくせ逃げだすときには必ず、ゆく先のわかるようにしていたんです」

「おりうが私から逃げ、私を憎んだり嫌ったりするのは」と芳村はさらに低い声で続けた、「――私がおりうに、自分が女だということを悟らせたためです、そして、おりうが嫌ったり憎んだりしているのは、この私だけではなく、小さいころから女でありたくない、という自分の心のしこりそのものでもあると思うんです」

益村安宅は暫く考えていたのち、芳村の顔を見ながら反問した、「もしそれが事実だと信ずるなら、おれと二人を袖ヶ崎へやって、ためしてみてもよかったんじゃないか」

芳村は極めてゆっくりと首を横に振った。

「それだけの自信はなかったのか」