Classici giapponesi con furigana
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そうせきのじんぶつ
漱石の人物
和辻 哲郎
Leggi 漱石の人物 (そうせきのじんぶつ) di 和辻 哲郎 (わつじてつろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.438 caratteri · 23 schermate
このことに気づいたとき私は、『道草』に描いてある夫婦生活の破綻を再び意味深く反省してみる気持ちになった。あの小説の主人公も細君も、決して悪い人ではない。しかしいずれも我が強く、素直に理解し合い、いたわり合おうとはしない。二人の間にやさしい愛情がないわけでもないのに、細君は夫を「気違いじみた癇癪持ち」に仕上げ、夫は細君を従順でない「しぶとい女」に仕上げて行く。漱石はこの作を書いた時より十年ほど前、『吾輩は猫である』を書き出す前後の自分の生活をこの作で書いたと言われているが、しかし作者としての漱石は作の主人公やその細君を一歩上から憐れみながら、客観的に批判して書いている。漱石の心境はもはや同じところに留まっていたのではない。しかし漱石の家庭生活がその心境と同じように一歩高いところへ開けて行っていたかどうかは疑わしい。夫人が素直に漱石について歩いていれば、あるいは漱石がその精力を家庭の方へ傾けていれば、たぶんそうなっていたであろう。しかしこの期間の生活の痕跡を一身に受けている純一君は、明らかにその反証を見せてくれたのである。『道草』に書かれた時代よりも後に生まれた純一君は、父親を「気違いじみた癇癪持ち」