Classici giapponesi con furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Leggi 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.395 caratteri · 263 schermate
あの方は、絶えず私たちに、最後まで希望を捨てるな――と訓されましたが、四人の眼は、そこに磁石でもあるかのように、知らず識らず、救命具のある、貯蔵庫の方に引きつけられていったのです。
すると艇長は、その気配のただならぬのを悟ったのでしょうか、莞爾と微笑んで、吾々に潜望鏡を覗かせるのでした。
ところが、水深二〇米の水中にもかかわらず、海水が水銀のような白光を放っているのです。流氷――艇長にそう云われて初めて、温度がいちじるしく低下しているのに気がついたのですが、それを知ると同時に、たちまち周囲が暗くなって、大地が割れた間から、無間の地獄が覗いているような気がいたしました。なぜなら、流氷は最短二日ぐらいは続くもので、よしんばその中に浮き揚がったにしても、たちまち四肢が凍え、凍死の憂目を見ねばならないからです。
それからしばらく、私たちは数々の悲嘆に襲われて、狂気のように悶え悩んでおりましたが、そうした死の恐怖は、やがて悶え尽きると、静かな諦観的な気持に変ってゆくのでした。
ところが、そうした墓場のような夜。艇長は士官室の中で慌しい急死を遂げられました。