Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Leggi 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.395 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

寝台の上から、左手が妙にグッタリとした形で垂れ下がっているので、触ってみると、すでに脈は尽き、氷のように冷たくなっていたのです。

それから始まった闇黒の中で、吾々は、眼が醒めると絶えず酒精を嚥んで、うつらうつらと死に向って歩みはじめました。ところで、これは暗合かもしれませんけど、今度の事件が、それと同じなんですから、妙じゃありませんか。隣りにいる八住が、妙な音で咽喉を鳴らしたので、これはと思って手頸を握りました。すると、それもやはり艇長と同じだったので、急いで夫人に急を告げたというわけなんです」

「いや、大変参考になりました」

法水は犬射に軽く会釈したが、今度はヴィデを呼んで、別の問いを発した。

「ところで、八住が殺された際に、貴方だけは椅子に落着いていて、動かなかったそうでしたね」

「無論そうなりましょうとも」

とヴィデは、黒眼鏡をガクンと揺すって、傷痕だらけの物凄い顔を、法水に向けた。

「僕は既から、この事件の起るのが予期されていたのです。なぜなら、遭難の夜には、吾々四人を前に、屍体の消失というありうべからざる現象が起ったではありませんか。そして、今日もまた、同じ艇内で同じ四人が集まった――とすると、そこに何事か起らずにはいないでしょう。