Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Leggi 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.395 caratteri · 263 schermate

Aozora Bunko

そして、宅悦との応答があって、髪梳き道具が持ち出されると、お岩は櫛を手に取り、思い入れよろしくの後に、

お岩 母の遺品のこの櫛も、妾が死んだら、どうぞ妹へ。アア、さはさりながらお遺品の、せめて櫛の歯を通し、もつれし髪を。オオ、そうじゃ、

そうして、櫛で梳くと、はじめは少し、二度目は一つかみほどの、もつれ毛がからみ落ちて、そうした跡は、光りもせぬ不気味な白地。

そこからはまるで、絹ででも濾したかのよう、粟粒ほどの血の滲み。

やがては、水に拡がる油のよう、一筋二筋と糸を引きはじめ、吃驚したお岩が櫛を捨て、右手に髪をひん掴むと、それは内臓の分泌を、滓までも絞り抜くかと思われるような怖ろしさだった。

ばらりと抜けた一つかみの毛を、両手に握りしめて、恨めしげにキュッと捻って、すううと糸を引いた一筋の紅は、色でもなく血でもなく、それは暗い煙りのように見えた。

お岩 今をも知れぬこの岩が、死なばまさしく、その娘。祝言さするは、これ眼前。ただ、恨めしきは伊右衛門殿。喜兵衛一家の者ども、ナニ、安穏に置くべきや。思えば思えば、エエ恨めしい。

と、月と葭を描いた衝立の蔭から、よろよろと蹌踉き上り、止めようとする宅悦の襟首をひっ掴んで、逆体に引き据え、上になったお岩の生際から一溜の生血、どろどろと宅悦の顔にかかるのが、幕切の