Classici giapponesi con furigana
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らどうせんせい
潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集
谷崎 潤一郎
Leggi 潤一郎ラビリンスII――マゾヒズム小説集 (らどうせんせい) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 16.093 caratteri · 33 schermate
損いのような痙攣を起す。「笑わないでは悪いだろうか、いや、笑ったところで面白くもない」と、二途に迷っているようでもある。そして何事をたずねられても、気乗りのしない、詰まらなそうな顔をしている。まあ成るべくなら下らない質問はやめて貰って、早く帰って貰いたそうだが、時々わざと聞えよがしにほっと溜息をつくばかりで、断然「帰ってくれ」とは云わない。気の弱い人が保険会社の勧誘員に掴まったように、向うが退却しない限りは此方も根気よく生返事を繰り返しながら、一日でも二日でも堪えていようと云う風である。
「誠に恐れ入りますが、では先生の日常の御生活、―――たとえば朝は何時にお眼覚めで、夜は何時にお休みになるとか、主にお仕事をなさいますのは何時頃であるとか、云うようなことでも伺わせて戴きましょうか。」
少しく大胆になった記者は、此れなら返事が出来ない筈はなかろうと思いながら、ポッケットから手帳を出して、エヴァーシャープ・ペンシルを握った。
「いかゞでございましょう? お忙しいところを御迷惑ではございましょうが、―――」
「いや、忙しいことはないんだが、」
「はあ、左様で。―――すると、お眼覚めになりますのは大概何時頃?―――朝は御ゆっくりの方だと伺ってはおりますけれど、」