Classici giapponesi con furigana
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はなかみろうにん
濞かみ浪人
吉川 英治
Leggi 濞かみ浪人 (はなかみろうにん) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 19.425 caratteri · 39 schermate
作らぬ俳人
彼はなかなか人を捨てない主君であった。国表では使い難いそうだから江戸へ廻せという程度で、定府の方に転役させて、何も云わずにいた。
数右衛門は勿論、この転役を歓ばなかった。国許なら自由もきくし、野広く生きていられる気がするが、江戸の藩邸では、朝も夕も、主君と一つ棟にいて、跫音も気をつけて歩かなければならないし、非番となっても、藩邸内の長屋住まいなので、馬鹿騒ぎもできなかった。
それに、江戸詰の人間は、どれもこれも軽薄に見えた。社交が上手で、身綺麗で、何かというと、殿様の前で声を密ませるのを得意としている。そんなわけで数右衛門には、三月経っても、四月経っても、親しい友は出来そうもなかった。
作らぬ俳人
今も。
碁を囲んでいる連中の頭ごしに、懐中手して突っ立っていた。
『…………』
その数右衛門が、時々、くすくす笑うので、富森助右衛門に打ちこまれて敗け色の田中貞四郎は、気になって堪らない。
時々、じろっと、数右衛門の顔を睨め上げるが、数右衛門の神経には何もひびかないのだ。
側には、中村清右衛門だの、他四五名も見ているが、誰も立ってなど居る者はない。その者たちも、数右衛門の不作法や笑い方が気に障っていた。