Classici giapponesi con furigana
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ひをてんず
火を点ず
小川 未明
Leggi 火を点ず (ひをてんず) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4105 caratteri · 9 schermate
「ありがとうございます。」といって、男は、その家の前から立ち去りました。
「売りにくるのを買うものでない。これからやはり、店へいって買ったほうが得だ。」と、女房は、独り言をしながら家へ入りました。
窓の格子には、火の燃えついたように、このとき、とうがらしを日が照らしていました。
先刻の男の子が、石油売りの後を追っていきました。
「僕は石油のにおいが大すきだよ。」
その子供は、友だちに出あうとそういっていました。
「かきを一つあげようか。」
友だちは、懐からかきを出して、少年に渡しました。二人の子供は、乾いた往来の上で、黄色な果実を持って楽しそうに遊んでいました。
その間に、石油売りは、圃の間を通って、あちらへいってしまった。
日暮れ方すこし前に、このかさをかぶった、わらじをはいてきゃはんを着けた労働者は、村をまわりつくして町に出ようとして、ある神社のそばにさしかかり、そこに荷を下ろして、しばらく休んでいました。境内の木々は黄色く色づいていました。
「寒くなった。今年は夜着を造らねばなるまい。」
無口の若い男は、あたりのさびしくなった景色を見まわしながら独り語をしていました。