Classici giapponesi con furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Leggi 火薬船 (かやくせん) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 61.552 caratteri · 124 schermate
怪貨物船あらわる!
北緯二十度、東経百十五度。
――というと、そこはちょうど香港を真南に三百五十キロばかりくだった海面であるが、警備中のわが駆逐艦松風は、一せきのあやしい中国船が前方を南西へむかって横ぎっていくのを発見した。
「――貨物船。推定トン数五百トン、船尾に“平靖号”の三字をみとむ……」
と、見張兵は、望遠鏡片手に、大声でどなる。
艦橋には、艦長の姿があらわれた。そしてこれも双眼鏡をぴたりと両眼につけ、蒼茫とくれゆく海面に黒煙をうしろにながくひきながら、全速力で遠ざかりゆくその怪貨物船にじっと注目した。
「商船旗もだしておりませんし、さっきから観察していますと、多分にあやしむべき点があります」
副長が、傍から説明をはさんだ。
艦長は、それを聞いて、双眼鏡をにぎりしめ、ぐっと顎をむこうへつきだした。
「追え!」
命令は下ったのだ。
駆逐艦松風は、まもなく全速力で、怪船のあとをおいかけた。艦首から左右に、雪のような真白な波がたって、さーっと高く後へとぶ。
一体あの怪中国船は、どこの港から出てきたのであろうか。どんな荷をつんで、どこへいくつもりなのであろうか。