Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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むざんやな

無惨やな

久生 十蘭

Leggi 無惨やな (むざんやな) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7601 caratteri · 16 schermate

Aozora Bunko

「又内どのを案内してまいる。ちょっとお待ちを」

座敷から出て行く体にみせかけ、閾ぎわから急にとってかえし、民部左衛門の右手につけ入るなり、

「おのれは又内と同心して、お家に仇をした。ゆるしてはおかぬ」

と叫んで抜きつけた。民部左衛門は壁ぎわまで飛び退って、

「仇とは、どういう仇……業たかりめ、ムザとひとばかり斬りたがる。そうはいかぬぞ」

眼を怒らせつつ抜きあわしたが、これも、あえなく右手を切り落された。

「やったな」

左手に刀を持ちかえたところを、真向額を割りつけられ、うむといって絶命する。

蔵人は乗りかかって止めを刺すと、脇差の血も拭って鞘におさめ、それを床の間に置き、さっきのとおりに、風呂場へ行って手水をつかい、白帷子に麻裃を着て、ぶらりと玄関へ行った。式台で鯱こばっている作左衛門の肩を叩いて、

「おい、作左衛門、用談はすんだぞ」

と笑いながらいった。

「じつはな。仔細あって、犬塚を討ちはたした」

「それは大変」

「おどろくほどのことではない。それについて、たのみたいことがある。おれは切腹するが、どうか介錯してくれい。その前に、始終の始末を見ておいてもらおうか」