Classici giapponesi con furigana
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むだい(いち)
無題(一)
宮本 百合子
Leggi 無題(一) (むだい(いち)) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.
N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 20.502 caratteri · 41 schermate
しずかにその頭を抱いてしずかなやさしい声で云いました。
ロ「どうしたの、どうして悲しいの。お母さんにしかられて。それとも美くしい小鳥か、貴方の知ってる人が死んだの」
詩人はだまって頭を左右にふって目をふせて居ます。ローズは、花の落ちるのにも小鳥のつめたくなったのにも涙を落す、詩人の心をさっしてするままにまかせて居ます。けれどもその胸と目にはやさしみと暖さがみちて居ました。しばらく立って白い歯の間から細いふるえた声で、
詩「ローズローズ、あなた外姉さまはないんモンネ」
あとは何とも云わないで大きい目を見はった美くしい人の口からもれる声をまって居ます。
ロ「そうでしょう、それともそうじゃあないの。何? どうしたの、云って頂戴」
自分が待ちもうけて居た答よりあんまりあっけない答を聞いてがっかりした様に又目をつぶって胸に若い乙女の柔さ温さを包んだ胸に人の涙を誘うほど美くしい詩の書ける貴い頭をうずめました。しばらくの間そのまんま、「アラビヤン・ナイト」の手をさわるとすぐ動けなる石にさわった人の様に身じろぎもしないで美くしい絵の中の人の様にして居ました。少年の顔は段々紅さして涙にうるんで居た眼は新らしい望を一っぱいにためた様にかがやきました。