Classici giapponesi con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate
」
あとは、口ぐちに、
「月の笠じゃ。お山荒れの兆しじゃぞな。」
「ついぞないハッキリしたお被りものじゃが、えらい荒れにならねばよいて。」
「久しゅうお山がお静かじゃったが、あれで見ると、今夜のうちにもおいでじゃな。」
思わず耳をすました階上の三人――。
重い夜風が部屋を走り抜ける中で、千浪は、何がなしにはっとした顔を上げて大次郎を凝視めた。
猟くら悲誌
こんな山奥――三国ヶ嶽のふもとの阿弥陀沢に、猿の湯などという温泉のあることは、千浪はもとより、弓削法外も知らなかったので。
ここへ入湯に来ることを言いだしたのは、この門弟筆頭の伴大次郎なのだった。
しばらく暇を貰って三国ヶ嶽へ往ってきたい――下谷練塀小路の道場で、こういきなり大次郎が願い出た時、師の法外はちょっと考えて、わしも一しょにと膝をすすめた。そして、娘の千浪を連れて、と。
それならば、ちょうど、山のすぐ下に珍しい湯の宿があるから暫時それに逗留なさるのも一興であろうと、この大次郎のことばに従って、道場は留守師範の高弟に預け、父娘師弟の三人づれ、そこはかと江戸を発って来たわけ。
これが、もう、半つきほどまえのこと。