Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぼんのうひぶんしょ

煩悩秘文書

林 不忘

Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate

Aozora Bunko

「は、姉の行方を捜し、祖父江出羽殿のお命をお狙い申しております。」

「よく申した。七年前に出府入門以来のそちの稽古ぶりを見て、わしはとうから、これは何ごとか大望あって剣を励むものと、この眼で睨んでおったぞ。」

千浪も、私語くように、

「それでこそ――でも、相手は一藩のあるじ、なみたいていのことでは――。」

と、そう思うと、早くもその小さな胸は、夫ときめた大次郎の身を案じ、もう、潰えんばかりなのだった。

きっと、形をあらためた大次郎、法外先生に向って、

「しかし、この復讐の儀につきましては、その方策、進行の模様など、いずれとも今しばらくは、不問に付しおかれますよう――。」

「解った。時機の来るまで、何も訊くまい。」法外老人は、千浪へ鋭く、

「そちも、このことは忘れるのだぞ、大次郎のために。よいか。」

「はい。でも、心でそっとお案じ申すことだけは、お許し――。」

「いや、それもならぬ。と言うたところで、これは野暮と申すものかの。ははははは、どうじゃ、大次。」

赧く笑った大次郎、

「これはどうも――ははは。」

真顔に返って、

「目下はひたすら、剣技をみがきます一心――。