Classici giapponesi con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate
そこで、この、はじめての七年目。
二十歳の伴大次郎は、二十七になり、こうして、江戸下谷練塀小路、弓削法外道場第一の剣の名誉として、今この思い出の山麓へ帰って来ている。
他の二人は、どうしたか。
弥四郎頭巾
「こういうわけで、私はこの山へまいったのです。で、その約束の日を待っておりましたので――今日は、七月六日。」
「おう、そう言えば、三国神社へ集まるのは、明日じゃな。」
「佐助に利七のふたりも、生きておりますれば、今ごろ登山っておるさいちゅうでござろう。七月七日の夜の引き明け、という申しあわせですから――どれ、そろそろ私も。」
無造作に起ち上る大次郎を千浪は、縋りつくような眼で見上げて、
「けっしてお留めはいたしませんけれど、でも、この大風、それに雨さえ――お父さま、どうしたらよろしゅうございましょう。ああ、あたしは、心配で――なりませぬ。」
「大丈夫。」大次郎は、もう、縁側へ踏み出していた。「明日の夕刻までに帰ります。いかな大風だとて、吹き飛ばされもせず、紙子細工ではござらぬから、濡れたところで大事ない。ははははは、二人に、この拙者を見せて、またふたりの苦心談を聞き、語りもするのがなによりのたのしみ――では、先生、千浪さま、行ってまいりまする。