Classici giapponesi con furigana
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ぼんのうひぶんしょ
煩悩秘文書
林 不忘
Leggi 煩悩秘文書 (ぼんのうひぶんしょ) di 林 不忘 (はやしふぼう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 86.705 caratteri · 173 schermate
宗七とお多喜が両方からかわるがわるいろいろ尋ねても、何の反応もないので、ふたりともしまいには黙り込んでしまった。
お多喜はほっと深い溜息を洩らして、宗七へ向い、
「どうしたもんだろうねえ。しばらく家に置くとしても、大家さんへ話しておかなくちゃあ悪いだろうねえ。そんなことをして、面倒な係合いになっても詰まらないし――。」
何か考えていた宗七が、ぽんと小膝を打って起ちかけた。
「うむ、そうだ! これの兄さんで伴大次郎、じつあ三国ヶ嶽でその旦那に会って来たんだが、その節の話じゃあ、なんでも下谷の練塀小路、法外流とかいう剣術の道場にいると聞いたが――。」
「この女の兄さんがかえ。そりゃあお前さん、うってつけの話じゃあないか。それじゃあ一っ走り報せに行って、引き取ってもらうなり、とっくり相談してみたら――。」
「うん。大次郎の旦那も、どんなにかお喜びなさるに違えねえ。じゃ、そういうことにしよう。」
宗七が自分の服装を見下ろして、
「おう、これじゃアあんまりだから、小ざっぱりした着物とあっちの帯を出してくんねえ。」
「あいよ。」
とお多喜は、押入れへ首を突っ込んで、
「だけど、どうしてこんな可哀そうなことになったんだろうねえ。