Classici giapponesi con furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Leggi 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.070 caratteri · 31 schermate
「馬鹿なことばかり言って、貴様達は、買って自分のものにした土地と、こうして開墾して自分のものにする土地の、価値の区別を知らねえんだものな。買った土地ってものは、他人のものが自分のものになっただけじゃねえか? 開墾は、おめえ、開墾した分だけ世の中に土地が殖えるのだぞ。世の中の耕地を広くする仕事なんだぞ。開墾というもの……」
佐平の、こういう話は、皆をよく感心させたり笑わせたりした。わけても吾亮の妻、即ち雄吾の母は、佐平の、そういう話を欣ぶのだった。が、また、一番ひどく郷愁の念に悩まされているのも、雄吾の母だったのだ。佐平の考えでは、皆の淋しさを忘れさせ、郷愁の念から解こうとして嘘をつき、出鱈目を言うのであったが、それが、いつか佐平を、開墾場一の嘘つきの名人ということにしてしまった。併し佐平は、依然として嘘をつくことをやめなかった。
全く、此方からは、小さな駅のある村里へ、一カ月のうちに二度ほど、二三人の者が米と味噌と塩とを取りに行くだけで、先方からは郵便配達夫が二週間に一度の割でやって来るだけだった。巡査さえも廻っては来ないのだった。そして秋になると、原始林の中からのこのこと熊が出て来た。