Classici giapponesi con furigana
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くまのでるかいこんち
熊の出る開墾地
佐左木 俊郎
Leggi 熊の出る開墾地 (くまのでるかいこんち) di 佐左木 俊郎 (ささきとしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 15.070 caratteri · 31 schermate
「どこへ行って来た? 顔色をかえて、鉄砲など持って……」
同じ開墾場の佐平爺が、向こう岸に微笑んでいた。
「熊が出てね。俺、皮がほしかったもんだから、追っかけて見たのだげっとも……」
「熊だと? 牝兎じゃねえのか?」
佐平爺は微笑みながらそう言って、魚籃を提げて川を漕いで来た。
「まあ、なんにしろ、あまり無鉄砲なごとをして、自分の身を亡ぼすようなことをするなよ。貴様の気持ちも判るが……」
「本当に、熊だってばな!」
雄吾は佐平爺の慰めるような言葉で、涙含ましい気持ちに支配されながら、それに反抗するように言った。
「俺に嘘を言わなくてもいい。――嘘をついたって、決して悪いとは限らねえさ。併し、将来の見透せねえ嘘じゃいけねえんだよ。俺は、村中きっての嘘つきだって言われるが、将来の見透せねえ嘘をついたことはねえだ。将来の見透せねえ人間がまた碌な嘘をつけるもんでもねえし。――だがさ、熊にしろ牝兎にしろ、馬車に乗って行くわけねえがらな。」
雄吾は、佐平爺の顔を視詰めていた眼を、静かに伏せた。同時に顔色が真っ蒼になった。
「何も心配するごとねえ。それだけの度胸と覚悟があるのなら、もっと考えてやるのさ。