Classici giapponesi con furigana
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Leggi 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) di 堀 辰雄 (ほりたつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 71.309 caratteri · 144 schermate
その時彼の額へ手をやっていたその細君らしい西洋婦人がひょいとうしろを振り向いたので、その方へやっと頭を持ち上げながら彼も見てみると、ホテルのポオチのところにドロシイとその妹は、丁度ホテルへ遊びにでも来ていたと見える彼女らの友達らしい五六人の少女たちに取りかこまれていた。そうして一種の遊戯かなんぞをしているように、ドロシイの説明を聞こうとしていくつもの金髪を一とところに集めているそれらの少女たちの姿は、まだすこし頭の痺れている彼には、あたかも葡萄の房のようにゆらゆらと揺れながら見えた。……
……ここにこうして居ると、そういう数年前の光景の一つ一つが、妙に生き生きと彼の心のなかに蘇ってくるのは、どういう訣かしらと考える度毎に、彼はこの樹蔭に何かしら一種特別な空気のあることに気づかないではなかったけれど、つい面倒くさいので彼はそれをそのままにしておいた。だが、或る日のこと、いくらか気分のよかった彼はその原因を調べてやろうと思い立った。そこの樹蔭は奥へ行けば行くほど彼が名前も知らないような雑草が茂るがままに茂っていた。これはきっとこの雑草の中に何か特別な香りを発するものがあって、それが彼の記憶を刺戟するのかも知れないぞと思った。