Classici giapponesi con furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Leggi 犬田卯短編集 一 (こぶ) di 犬田 卯 (いぬたしげる) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 48.259 caratteri · 96 schermate
田辺定雄とて、それは最初から――出ると決意した以上――免れ得ぬ事実と考えていたので、あえて驚きはしなかったが。
「なアに、無言の、村民の正義感が百万の味方さ。俺は彼らのために、一人でやるよ、やるとも……」
それにしても今や容易ならぬ事情に村それ自身が、および彼自身がまた、乗り上げてしまっていることがようやく解ってきた。それは部落のお祭の日であったが、少し酔いが廻ったところで、人々の口は新村議の前でかたい堰をこんなふうに破ったのである。
「とにかくここで一洗いざあッと洗われて見ろ、村全体根こそぎ持ってゆかれたって足りやしねえから。」
ふと、大仰に言っている声に振り向くと、それは造化の神が頭部を逆に――眼鼻口は除いて間違えて付けたのではないかと思われるほど頬から※(「臣+頁」、第4水準2-92-25)へかけて漆黒の剛毛が生え、額からあたまの素天辺はつるつるに禿げている森平という一小作農であった。彼が最近、村の産業組合からたった一枚残っていた一反五畝歩の畑を「執行かけられ」取り上げられてしまったことは誰一人知らぬものはなく、そしていま、その彼が大仰な身振りではじめた話も、実は組合の内幕についてなのであった。