Classici giapponesi con furigana
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りょうきのはて
猟奇の果
江戸川 乱歩
Leggi 猟奇の果 (りょうきのはて) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 134.971 caratteri · 270 schermate
両人奇怪なる曲馬を隙見すること
君は僕と一緒にそこへ行って見る勇気はないか。僕は今夜こそ、あいつを尾行して、住所も名前も確めてやろうと思っているのだが」
品川は中々返事をしなかった。だが、長い躊躇のあとで、とうとう決心をして叫んだ。
「行こう。俺もそいつの正体を確めないではいられない」
両人奇怪なる曲馬を隙見すること
その夜十一時頃、青木と品川とは、已に三浦の、家の赤い部屋の外の暗闇に潜んでいた。お神は二人連れでは危険だからと云って中々承知しなかったが、青木が札びらを切って、やっと納得させた。品川は色眼鏡とつけ髯で変装していた。全く同じ顔の客が二人来たのでは、お神の疑いを招くからである。
青木はたった一つの小さな節穴に目を当てて、今か今かと登場人物を待ち構えていた。品川は青木に代ってそこを覗く勇気はなく、ごみだらけの板敷の隅っこに蹲って、何かの黒い塊みたいに、身動きもしないでいた。
青木の目の前には、真赤な幻燈の様に、部屋の一部がまん丸に区切られて見えた。向う側の板壁、そこに貼った細い模様の壁紙を背景にして、丸胴の桐の火鉢と、妖婦の唇の様に厚ぼったくふくれ上った、緋色の緞子の蒲団の小口とが視野に這入った。