Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ねことしょうぞうとふたりのおんな

猫と庄造と二人のおんな

谷崎 潤一郎

Leggi 猫と庄造と二人のおんな (ねことしょうぞうとふたりのおんな) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 68.020 caratteri · 131 schermate

Aozora Bunko

「そら分ってま。そやよってに、君に行って貰おう思うてエしまへん。」

せいぜい皮肉にそう云った積りだったのであるが、相手は一向感じてくれないで、

「君、まだあの猫のこと忘れられしまへんのんか。」

「何で忘れまっかいな。あれから此方、品子の奴がいじめてエへんやろか、あんじょう懐いてるやろか思うたら、もうその事が心配でなあ、毎晩夢に見るぐらいだすねんけど、福子の前やったら、そんなことちょっとも云われしまへんよってに、尚のことここが辛うて辛うて、………」

と、庄造は胸を叩いてみせながらべそを掻いた。

「………ほんまのとこ、もう今迄にも一遍見に行こ思うてましてんけど、何せこのところ一と月ほど、ひとりやったらめったに出して貰われしまへん。それに僕、品子に会わんならんのん叶いまへんよってに、彼奴に見られんようにして、リリーにだけそうッと会うて来るようなこと、出来しまへんやろか?」

「そら、むずかしいおまんなあ。―――」

好い加減に堪忍してくれと云う催促のつもりで、塚本はおろした畳へ手をかけながら、

「どないしたかて見られまんなあ。それに第一、猫に会いに来た思わんと、品子さんに未練あるのんや思われたら、厄介なことになりまんがな。