Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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きょうさいかていえんまんじゅつ

猿々合戦

小野 佐世男

Leggi 猿々合戦 (きょうさいかていえんまんじゅつ) di 小野 佐世男 (おのさせお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 29.526 caratteri · 61 schermate

Aozora Bunko

だが引越の疲れが出たのか、私はいつか深い眠りに陥ちていった。

それからどのくらい時刻がすぎたか分らないが、ふと眼がさめた。――というよりも何者かに突然起こされたように眼があいたのだ。

頭は不思議と冴えていた。天井裏をながめる私の眼には、木目までもがはっきりと見えた。壁に目を移すと、額縁が曲って掛っている。(朝になったら真直ぐにしよう)と私は思った。

私はまた目をつぶった。だがどうしたことか少しも眠くない。と、その時だ、掛布団の足の先の方にものの動く気配を感じたのは……。猫でも迷いこんできたかと、私はふと頭をもちあげたが、とたん、

「アッ――」

と息をのんだ。

首! 水でも浴びたようにぐっしょりぬれた生首が見えた。私は二、三度目をしばたたいたが夢でも幻でもなかった。生きた生首だった。どす黒い口許から白い歯が震え、何か蚊の鳴くような声が洩れている。顔面の皮膚は渋茶で、びっしょり雫を垂れた髪が、一すじ二すじ、横じわの額にはりついて、その垂れた髪の毛の間から、カッと見ひらいた眼が、物凄い光を放ってこちらをねめつけている。

私は大声をだそうとした。飛び起きようとした。