Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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さるとびさすけ

猿飛佐助

織田 作之助

Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate

Aozora Bunko

「助けてくれ、あッ、熱ウ、熱ウ!」

と恥も見栄も忘れたあらぬ言葉を、口走った。

実は蟇の身体より流れる油に燃えうつった火が、五右衛門の降らした水を得て、かえって勢いを増したのであった。

これこそ、佐助の思う壺であった。五右衛門の奴め、わが術中に陥ったとは、笑止笑止と、佐助は得意満面の、いやみな声を出して、

「やよ、五右衛門、その水遁の術、薮をつついて、蛇を出したぞ。重ねた悪事の報いに、やがては、釜の油で煮られるその方、今のうちに蟇の油で焼かれる熱さに馴れて置け! それとも後悔の背を焼かれる、その熱ささましたければ、まずうぬが眼をさまして、顔を洗うまえに、悪事の足を洗うがよかろう」

こじつけの、下手糞な洒落を吐くと、

「――さらばじゃ」

東西南北、いずくとも知れず、姿を消してしまった。

五右衛門には、一の子分の木鼠胴六をはじめ、関寺の番内、坂本の小虎、音羽の石千代、膳所の十六、鍵はずしの長丸、手ふいごの風之助、穴掘の団八、繩辷りの猿松、窓潜りの軽太夫、格子毀の鉄伝、猫真似の闇右衛門、穏松明の千吉、白刃取りの早若などの子分がいたが、これらの子分共は千鳥の香炉盗み取りの陰謀の談合のため、折柄南禅寺の山門へ寄っていたので、頭目の石川五右衛門の哀れな試合の一部始終を、見物していた。