Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
「その忍術が使えるなら、今時、貴様の下手糞な笛など聴いておるものか」
いかにもしょんぼりした声だが、さすがに虚勢を張って、佐助がそう言うと、三好は、
「ははあん。俺を救い出すと、こんどはお主が俺に召しとられるおそれがあると思って、そんな嘘を言っているのだろう」
と、自身法螺吹きだけに、直ぐ邪推した。すると、
「莫迦! 坊主頭の貴様の前で嘘を言うても洒落にもなるまい」
と、はや駄洒落がはじまり、
「――昨日までの俺ならば、天から降ったか地から湧いたか、火遁、水遁、木遁、金遁、さては土遁の合図もなしに、ふわりと現われふわりと消えて、消えぬアバタの星空も、飛行の術で飛んでもいたが、鳥人先生のいましめ受けて、封じられたる忍術の、昔を今になすよしも、泣く泣く喞つ繰言の、それその証拠には、この合部屋に膝をかかえているじゃないか」
と、万更法螺でもなさそうだったから、
「じゃ、この鈴鹿峠が俺たちの墓場か」
と、三好がげっそりとすれば、
「そうよ。坂はてるてるの坊主の三好、墨の衣は鈴鹿の鐘を、チンと敲いて念仏でも唱えているんだな」
などと、他愛もない洒落にますますうつつを抜かしはじめると、もういけない、まるで弁慶か索頭持ちみたいにここを先途と洒落あかして、刻の移るのも忘れてしまったが、そのありさまはここに写すまでもない。