Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
のに、よりによって楓と同室か、でなければ襖一つである。いかに女は嫌いとはいえ、いやそれだけに一層鼾や歯軋りが恥じられて、気になる余りまんじりともせず、無性に疳を立てながら、やがて明け方の薄ら明りにふと眼をやれば、楓の寝顔は白粉が剥げて、鼻の横筋など油が浮き、いっそ醜い。女などどこが良いのだろうと、改めて思われて、三好は自分が女の腹から生れた人間だとはいかにも思いたくなく、佐助のアバタが笑窪だなどと思いたがるこんな女など、早く佐助に押しつけてしまおうと、やっきになって佐助の行方を探していたが、空しかった。
佐助はどこをどう歩いていたのか、鈴鹿峠を去って何日か経ったある夜、彦根の宿のある旅館の割部屋に泊った客の、どこやら寂しい横顔を、鈍い行燈の灯に透かせば、かくしもならぬアバタ面、後からはいって来た相客がつくづくと眺めて、
「猿飛どのではござらぬか」
と、声を掛けた。
「おお富田無敵どのでござったか。これは奇遇!」
先年佐助がその今出川の道場を荒して茶漬飯をふるまわれたことのある富田無敵だと、すぐ判ったが、その富田無敵が何の仔細あって、彦根の旅籠のよりによって割部屋に泊るのかと訊けば、