Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
「実は首のない男を探しもとめての旅でござる」
と、言う。
首のない男、これは耳寄りなと佐助が膝を乗り出すと、無敵は、
「それがしの話を聴いて、けっしてお嗤いめさるな!」
と、さびしそうに念を押して語ったのはこうだった。
――四五日前の夜のことである。道場と知ってか知らずにか、無敵の宅へ盗賊がかかったらしく、真夜中に裏の戸がガタコトと鳴った。素早く眼を覚して、襷、鉢巻も物ものしく、太刀を片手に、いざ抜討ちと待ち構えていると、果して、戸の隙間からぬっと首を差し入れた。すかさず斬りつけたが、どう仕損じたのか、皮一枚斬り残したらしく、首は落ちずにブラリと前へ下っただけである。しまったと、二の太刀を振り上げた途端、首はすっと引っ込められて、盗賊はうしろも見ずに一目散に逃げ出した。直ぐあとを追うた。盗賊は月光を浴びて必死に逃げたが、ぶらつく首が邪魔になるらしく、次第に逃げ足が鈍って来た。二条で追いつき、あわや襟首をつかもうとした時、盗賊はぶらついていた首をいきなり千切ってふところへ入れたので、すかされて前のめりになった。その隙に盗賊はみるみる遠ざかったので、またあとを追うて行ったが、邪魔な首をふところへ入れてしまったせいか、男の逃げ足の速さはにわかに神か仙か妖か、人間とは思えなんだ。