Classici giapponesi con furigana
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さるとびさすけ
猿飛佐助
織田 作之助
Leggi 猿飛佐助 (さるとびさすけ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.413 caratteri · 60 schermate
「首のない男が風をくらったそうな」
途端に奉行の魂胆がわれを世の嗤い者にする事にあると判った。高札の文章にわざわざ『今出川往人富田無敵』の名を入れた理由も読めたと、直ちに奉行所へ乱入して…………と思ったが……。
「いや、それも大人げない。それよりも、件の首なき男を探し出して召しとらえ、これ見よと奉行へ突き出すに若かずと思い直して、旅に出たのでござる。旅籠、旅籠で割部屋を所望致せしは幸い相客の中に首なき男もがなとの念願から」
と、無敵は語り終わって
「――貴公はさぞお嗤いであろう」
打ちしおれていた。
佐助ははたと膝をたたいて、
「何の嗤いましょうか。首をふところへ入れて都大路を駈けたとは、近頃天晴れなる風流男、それがしもその趣向にあやかって、このアバタ面を懐中して歩きたいくらいでござる。いや、それがしもその天下第一の風流男に会いとうなりました。お差しつかえなければ、お伴致しとうござる」
と言うと、無敵は、
「よくぞ言って下さった」
と、佐助の手を握って、ハラハラと落涙し、既に道場を荒された恨みなど忘れていたのは勿論である。
翌朝から、二人は首のない男を探して歩いた。