Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.583 caratteri · 240 schermate
十九日に急に切符が手に入ったので無理でしたが、帰京、二十四日の夜行で戻りました。もう生活の根拠のないところへ戻るのはこの頃何と不便で且つ悲しいでしょう。自分の米を背負って行くのだけれども、わたしはたっぷり背負えないから、つまりは米に追い立てられてしまうのよ。全く一人では能率も上らないし、私の健康程度では一人で東京へ往復したりする位なら田舎へ行かないがまし位よ、すこし極言すれば。十九日に行くとき郡山にはり出しが出ていて、北海道は売らないしいつとも分らないと出て居りました。二十四日に東京では駄目でしたが、二十五日の朝ついて訊いたら一日三枚だけ統制官の許可で売る由。至急手配いたしました。来月早々にこちらを立ちます。この隙にね、すこし西へ行って居りますから。この間、駄目になったとき、わたしは大変苦しい気持でした。宙に浮いてしまったような気もちで。どうぞどうぞわかって頂戴。わたしはそこから島田かどちらかにしか自分の暮すところを感じられないのよ。ここはわたしに落付けない生活ぶりです。早く行ってしまいたいわ。そして、普通の場合とこういう時節とは何とおそろしい異いでしょう。