Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.583 caratteri · 240 schermate

Aozora Bunko

れます。あの人は誰からも、わたしより「大人っぽい」と思われます、それは悲しむべき点よ。寿に云わせれば、「末世に生れた」からだそうですが。そういう肯定のモメントを見出すのもバカニハデキヌことでしょう、そしてそれがあの人のマイナスだったのですが。

九族救わる、という言葉のあるのを御存じ? 坊さんの言葉よ。一人出家するとその功徳によって九族が済度されるということがあります。

善良なるものの影響ということを深く考えます。父の場合にしても一つの例です。その善さは、卑俗になりかかる心に一つの善さを呼びさまし、終にその生涯を美くしくあらしめましたし、寿の場合にしろ、やはりこれが成功すれば彼女の生涯も亦浪費から救われたということになります。よさをよさとしてまともに反映する、ということはうれしいことね。本当に快いことね、年月を経るにつれて、其の味の尽きないこと。人生の妙味というような表現は、大家連が月並に堕さしめましたが、その真の生きのいいところこそ、生けるしるしありと申すべき味です。そして、よさをおのずからよさとして滲透させるまでに反映するためには、鏡は恒に一点曇りなく正しい位置におかれ、そして私心あってはなりません。