Classici giapponesi con furigana
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ごくちゅうへのてがみ
獄中への手紙
宮本 百合子
Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 120.583 caratteri · 240 schermate
しかし実際問題として南江堂もなくなったし本を見つける困難は言葉につくせなくなりました。『春桃』も金沢市の古本屋から上京した本でした、そういう紙が貼ってあったのよ。昨夜瀧川という夏頃手伝っていた娘が、会いたくて思い切って福島から来ました。わたしは大助りよ、いろいろ手伝って貰えるから。きょうもあっちこっちの見舞に一緒に歩いて貰いました、何だか別のようになってしまった街々のやけたところを一人で歩く気がしなくて。この春は眼をよほど大切にしないと焼け埃で大変です。ホーサンでかえると洗います、ゴロゴロになってしまうのよひどくて。頭巾をこしらえようと思いますフードを。一陣の風がふけばその風のまきおこすホコリは髪と皮膚を滅茶滅茶にいたしますから。普通の服装では駄目です目下ゴム長を見つけ中です。わたしがフードをかぶりジャンパーを着(いつもきているの)ゴム長をはいたら、それこそ何かのマスコットのような姿になりますが、ゴム長でもなくてどうしてあの道をそちらへ行けるでしょう。わたしがマスコット姿でそちらへ通うということこそマスコットなのだわ私たちの暮しの、ね。呉々もお大切に、そちらが、狐火のようなものには丈夫なのは安心です。