Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ごくちゅうへのてがみ

獄中への手紙

宮本 百合子

Leggi 獄中への手紙 (ごくちゅうへのてがみ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 112.810 caratteri · 225 schermate

Aozora Bunko

何となし少しずつましになって来る感じです。この前の手紙に申しあげたように今来ているお久さんという十九歳の信州の娘は淡白快活で常識もあり大変気が合い、私はお安さん以来の落付きです。そして兄の感化もあるのか、さっぱりして、安より明るい。私はこの好条件を十分活用して仕事をよくし、体を直すつもりです。どうか御安心下さい。

島田の家の事情が却って私たちについて物わかりよくしているとお手紙にあることは全く同感です。それは本当です。私は島田の家に深い情愛を感じて居ります。あすこには林町になど全くなかった生活の空気がある。

あなたが少年の時代から御自分の周囲に感じていらしったものと、私の周囲にあるものとは、社会での場処がちがうとおり質がちがっている。あなたの経験していらっしゃるものの中には(家族的に)皆察しのつく、そしてその条件ではやむを得ないと理解され得る質のものです。

私はあなたが周囲に対してもっていらっしゃる思いやり深さやさしさを殆ど驚く程ですが、あなたにはそれが可能な根拠がある。

虹ヶ浜へおつれしようという話も、かえる頃には不可能らしいとわかりました。お后さまは家をお離れになれないし、お父さんにはお后さまは不可欠である。